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Beautiful Memory 〜 2019年 第1四半期 格ゲーシーン振り返り

— なべてこの世はこともなし





 2017年のCapcom Cup(以下CC)開催時から、Capcom Pro Tour(以下CPT)ファンを増やすべく "はじめての観戦ガイド" を書いてきましたが、とりあえず今シーズンは違う形をとって、CPTを中心に格ゲーシーンを四半期ごとに振り返った記事を(ネタ多めで)書いてみます。CPT準拠なので今回は5/24〜5/26に行われたCOMBO BREAKERまでについて。
 主な目的は格ゲーファンを増やすことなので、格ゲーファンからすると「そんなの言われなくても知ってるよ!」というとこまで補足していきます。
 あと「こんな出来事があった」っていうのを残しておきたいという気持ちもあります。
 文中、基本的に敬称略でいきます、お許しください。
 それではまずはCPTから。






The Alpha

 まぁぁぁぁぁずは何といっても若くしてアメリカの頂点に立つ男、"The Alpha" Punk(パンク)!!!

"The Alpha" の意味、かっこよすぎ。響きもかっこええ。
Yipes(ヤイプス)はアメリカの有名実況解説者。

 ここまで行われた4つのプレミア(通常の大会よりもらえるポイントの多い大会。超激戦になる)のうち、なんと3つのプレミアで優勝しており、獲得グローバルポイント(以下GP)はすでに2455P!!!!! 年末の決勝大会Capcom Cupに出場できるのは間違いなし。
 内容でいうと地上戦の精度があまりにもヤバすぎてヤバすぎるというか色々ヤバい。
 招待制のOC Goodwill Charity Invitationalではなんとメインキャラのかりんを使わずサブキャラのみで優勝。以前にも "コーリン対策としてサブキャラのコーリンを出す" (しかも勝つ)など常人には理解不能なこともありましたが本当に意味がわからない...
 ともあれ、今年のCPTが現在のところ "Punkを倒すゲーム" になっているのは間違いなく、誰がそれを成し遂げるのか、もしくは誰にも倒せないのか...うおおおおおおおお!!!???



有言実行のときど

 そしてそのPunkにほぼ唯一比肩し得ると言っていい存在がときど
 CPT最初の大会でありプレミアでもあるFinal Round(3/15〜17開催、以下FR)直前の配信では「今月中に(CC出場を)決めます!」と宣言。FRでは振るわなかった(優勝はPunk)ものの、3/29〜31に行われたプレミア・NorCal(ノーカル)で見事優勝し、宣言通りCC出場権をほぼ手中に(GPランキングも現在2位)。
 現在の世界地図を見渡すと、アメリカ大陸の頂点・Punk、欧州の帝王・Problem X(プロブレム・エックス)、そしてアジアのプリンス・ときど、という構図になっているのではないかと。



キリスト再臨

 今触れた、CPT最初の大会でありプレミアでもあるFRに降臨して話題をかっさらっていったのがFGC Jesus(エフジーシー・ジーザス。FGCとはFighting Game Community、つまり格ゲーコミュニティのこと)。

自分でJesusとか名乗るあたり確信的。
ちなみにお祈りスタンプ(Emoteという)の量は実際にはこんなものではなく、マジでチャットを埋め尽くしていた。


歌っているのはYipes。

 主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます。



The President of Earth

 S4に入り、突如としてその "力" を地球人民に対して誇示してみせたキャラが "世界大統領" G(ジー)。
 特に、アメリカの801 Strider(エイトオーワン・ストライダー、以下801)のGはかなりの活躍を見せており、ここまで2大会で優勝。その内の1つ、Northwest Majorsでは、世界のトップ・オブ・トップの1人であるNuckleDu(ナックルドゥ、以下ナックル)を含むTop 8以降の試合で1本も落とさずに完勝(大会通して無敗)。
 801以外にも、ナックルやSmug(スマッグ)、Nephew(ネフュー)など、Gを採用するアメリカ勢が増えており、「逆転力は高いけど、総合的に見れば弱い」としていた日本勢は戦々恐々となりG対策を始めている模様。
 果たして世界大統領の力は本物なのか!?



板橋 "ピュアストレス" ザンギエフ

 その801が、日本が誇る投げキャラ使い・板橋ザンギエフ(以下板ザン)と大会であたった後に発言してネタになったのがこちら。

拙訳。ちなみにこれ、試合の結果は801の勝ち。
負けても相手を10年老けさせる板ザンやばない?

2週間後の大会でもプール(予選みたいなもん)であたる2人(801の勝ち)。
合計20年。ご愁傷様です。

 格ゲープレイヤーには珍しく、勝っても負けても大抵笑顔の板ザン。恐ろしい男である。



世界へ羽ばたく日本の若手プレイヤー

 これまで、日本は格ゲーでは(おそらく)自他共に認める世界最強国家ではあったものの、世界の舞台で活躍している若手プレイヤーといえばアメリカのビッグチーム・Liquid(リキッド)に所属する竹内ジョン君ぐらい。他の国、特にアメリカやドミニカ共和国あたりと比べると寂しい状況だった。他の国の若手といえば20才以下とかなのに、日本では25才ぐらいでも若手と言われちゃったりする。
 しかし、メディアがこぞって "eスポーツ" を取り上げ続ける現状を反映してか、強豪プレイヤーから次々に(といってもウン十もある訳ではない)プロが生まれ、その中には若手プレイヤーも含まれており、なかでもゲーム内ランキング(CPTとは関係なし)世界1位のTrashbox(トラッシュボックス、通称トラボ)をはじめ、Shuto(元あんまん)などが世界でも名前が知られ始めている。
 オジサン、ワカイコ、スキネ。



近代兵器・Hitbox

 格ゲーは伝統的にレバー(アケコン)使用者が多く、近年になってパッドプレイヤーが増えていた。
 さらに第三勢力として割って入ってきていたのがHitboxという、アケコンのレバーをボタンに置き換えたもの。そのHitboxを基に、ガフロが自作したコントローラー・通称ガフロボックスを、(おそらくは)ウメハラがプレミア大会・COMBO BREAKERで使用すると発言したことが端緒となり、ワールドワイドな議論を呼び、最終的にCapcomが「調査してCPTレギュレーション改定を検討する」的な声明を出し、COMBO BREAKERではガフロボックス使用禁止の裁定が下される(これはCapcomではなく、COMBO BREAKER運営の判断)。

Capcomの声明。

 ガフロボックスは努力の結晶だと思うけど、さすがに "eスポーツ" を標榜する現在「コントローラー何でもいいよ〜」とはいかないのでこの方向性は仕方ないことだとも思う。
 あと、ハメコ。さんも言ってるけどCapcomが「コントローラーに対して多様性を尊重する」と明言してくれたのはとても嬉しい。ギタフリのとかハンドルのやつとかもっと見たいもん。



西洋のえいた

 CPT関連の最後に、お気に入りプレイヤーの1人である "西洋のえいた" ことカナダのCeroBlast(セロブラスト)のネタを動画を貼る。
 ちなみにえいた、いや、えいたさんとは、今や若年層に大人気のあのさよドラえいたさんである。「あの」と言ったが彼らの動画を見たことはない。 "西洋のえいた" というあだ名は、アメリカのレジェンドであるAlex Valle(アレックス・ヴァイエ)がそう呼んだのが始まりである。なぜって? 2人とも同じケンというキャラでアタマのネジがブッ飛んだような超アグレッシブなプレイをするからね。

勝利の舞...なのか?




Arslan Ashとパキスタン

 CPT以外にも目を向け、格ゲーシーン全体を見た時、1番のホットトピックと言えばやはり、"パキスタンの衝撃" Arslan Ash(アルスラーン・アッシュ、以下アッシュ)!!!
 それまで、世界ではほぼ無名だったにも関わらず、2月に行われたEVO Japan 2019の鉄拳で世界のトッププレイヤーを退け優勝。みんな、「一体何が起こっているんだ...?」となり、一般メディアまで取り扱い出す始末。
 そんな中、黒黒(くろくろ)さんがクラウドファンディングでアッシュ招待イベントを企画してくれた。鉄拳界最強の1人である韓国のKnee(ニー)と10先(10試合先取)を2度行い1勝1敗、今年日本で突出した結果を出しているチクリンを含む残りの相手(全て日本勢)に対しては無敗(全て10先)、とその実力がホンモノであることをハッキリと証明
 パキスタンは国内情勢が不安定なこともありビザを取るのが大変らしく、それが原因でこれまで世界の舞台で戦う機会が殆ど無かったようだけど、eスポーツの中心であるアメリカのビザ取得支援プログラムがアッシュへの支援も開始したようで、表舞台での活躍が見れるかも

様々な原因でアメリカビザ取得が困難な格ゲープレイヤーを支援しているeFightPass。

 よければ当ブログでアッシュのインタビューを抄訳したものがあるのでよければ読んでいって下さい。



MK、日本での普及なるか

 その昔、日本でもそのコミカルな?残虐描写でカルト的な人気を誇った?Mortal Kombat(モータル・コンバット、通称モーコン、以下MK)。近年の作品は昔の作品と比べると格段にクオリティが上がり、海外、特にアメリカでは絶大な人気を誇るものの、おそらくはその残虐描写が日本人の肌に合わないせいで日本での人気は全くと言っていい程なくなり、最新作のMK 11は日本での発売すらされていません(2019年5月30日時点)。
 しかし、SonicFox(ソニックフォックス、以下ソニフォ)が、Dragon Ball FighterZを通して仲良くなったGO1立川にすすめたことで彼らがMK 11をプレイし始め、COMBO BREAKERではトーナメントにも出場。
 ただGO1さんはインタビューの中で「オフで練習しないと勝てそうにないが、相手がいない。ゲーム自体はプレイし続けたいと思う」ということを言ってる。果たして日本人プレイヤーは増えるか否か。



トラキア776氏

 こっからネタ。
 日本が誇る格ゲーレジェンド・ウメハラ。彼は今年に入り、難しいと評判のゲーム "ファイアーエンブレム トラキア776" の個人配信を始め、ネタをばら撒く。ありがとう、トラキア776氏。
 ウメちゃんについてあまりよく知らない人のために、まだ細くてカリスマティックな雰囲気を残していた頃の動画を先頭に貼っておこう。

初となる著書発売時のもの。

音量注意。

さすがに?

おじいちゃん、入れ歯が落ちましたよ。

キィッ!!

音量注意。

 人って変われるんだなぁという印象しかない。



Tier List

 Tier List(ティアーリスト)とは、要するにランキングみたいなもので、格ゲーでいえばキャラランク表。何がきっかけか知らないが海外勢の間で食品を中心に色んなもののTier Listを作るのが流行って、アメリカのリビング・レジェンドであるJustin Wong(ジャスティン・ウォン、以下ジャスティン)はジュースのTier Listを作ってEVO(エボ、世界最大の格ゲーイベント)運営の怒りを買いBan(追放)された。

乙であります。

 そして、何故か突然Twitterで「おでんTier Listのテンプレート作ったでw」と連絡してきてくれたのがアメリカはカリフォルニア州にお住まいのArlieth(アーリエス)さん。なんなんだお前は。

3時間かけておでんについて調べて作ったらしい。
なんなんだその情熱は。




 という訳で格ゲー界が如何にネタ満載で面白いかわかったと思うのでよい子のみんなはうちのTwitterフォローしろ格ゲーファンになろうね。
 じゃなくて毎週末のようにやってる大会とかプロツアーがすっごい面白いよ!!!









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