Header Ads

はじめてのCapcom Cup観戦ガイド Vol. 1(2018 ver.)

抜き身のドラマ


(引用元:ねとらぼ



2人の主人公、その光と影

 ウメハラ - これを読んでもらっている人ならばおそらく多くの人が名前ぐらいは知っているのではないかと思います。幼い頃から格闘ゲームをプレイし続け、高校生の時には全国大会優勝、以来常にトップレベルを歩き続けている、つまり現在まで約20年間世界のトップレベルに君臨し続けている男です。そのプレイは魅力に溢れ、「格闘ゲームの歴史そのもの」 と言われることさえあります。
 一方で、一般的な社会からの視点でいうと、ウメハラの人生はとても順風満帆と言えるものではなく、ゲーム以外では「みんなが当たり前に出来ることが出来ない人間」で、鬱屈した感情を抱えていたようです。
「ゲームばかりやっていたら頭が悪くなる」「ゲームセンターは不良が行くところ」と考えられたりもしていた時代からゲームセンターに通い、高校卒業後バイトをしながらゲーム漬けの日々を送るも、一度はゲームを離れることになります。
 それでも最終的にはゲームに復帰、スポンサーも獲得し日本人初のプロ格闘ゲーマーとなり、活躍を続けていきます。
 ここ数年の成績でいえば、決してトップ中のトップという訳ではありませんが、カリスマ的な人気を誇り、格闘ゲームシーンにあってその存在はいまだ圧倒的なものです。

 そのウメハラを尊敬し、憧れ、乗り越えようとする1人の男がいます。それが "東大卒プロゲーマー" の肩書きを持つときど。やはり名前ぐらいはご存知かもしれません。ときどのこれまでの道のりも、やはりと言うべきか、決して順調だったわけではありません。
 名門麻布中学・高校から東大へ進学、その間も格闘ゲームの大会で高い成績を収める、と一見華々しく思えます。「最も効率のいい勝ち方に最短でたどり着く」ときどのアプローチは、確かに彼に多くのタイトルをもたらしました。が、その戦い方は「見ていて面白くない」とよく言われ、「さむい」が転じて "アイスエイジ(氷河期)" という仇名まで付きます。しかも、ビッグタイトルが取れない精神的なもろさが見えることもありました。
 特に、念願のビッグタイトルが懸かった2013年のEVO(世界最大の格闘ゲームの大会)決勝、ときどは、"元(げん)" という一般には弱いとされるキャラを使うシンガポールのXian(シェン)に破れます。ときどとは真逆の道を登ってきたと言える相手でした。
 そのような挫折を何度も経験し、ときどはその哲学を変化させ、ついに昨年のEVOではその変化を如実に感じさせる立ち振る舞いを見せながら優勝、悲願のビッグタイトルを獲得します。
 ときどはかつてない輝きを見せていました。

 ウメハラを意識しないトッププレイヤーはいないと思いますが、この2人の関係については僕たちファンの多くも特別な感情を持って見ていると思います。



新たなる序章

 そして今年3月10日、ウメハラの配信番組DaigoTheBeasTV(ダイゴ・ザ・ビースティービー)の企画で、2人が対戦することになりました。
 大会では通常2本ないし3本先取という比較的短めの試合形式で、さらに誰と対戦することになるか不確定な為、勝ち負けというのはある程度運にも左右されます。しかし今回は10本先取という、格闘ゲームとしては比較的長く実力差がちゃんと出やすい形で、また、あらかじめ対戦することがわかっている為、お互いに "相手キャラ" と "相手プレイヤー" への対策を十分に練ってくることができます
 つまるところ、「どっちが強いかはっきりさせよう」というはなしです。タイトルもお金も、プライド以外何も懸かっていない試合です。

 こちらがその動画になります。どうか試合終了後のインタビューまで観て下さい。


DaigoTheBeasTV 獣道弐より



 一年をかけて行われるCapcom Pro Tour(以下CPT)では、こうしたドラマが大小、世界中、国境を越えて展開されていきます(ただし、今見て頂いた試合自体はCPTとは関係ありません)。
 これこそが、僕にとってのCPT最大の魅力です。

 この一連の記事の目的は、CPTの魅力を伝え、興味を持ってもらい、12月14日に開幕する決勝大会Capcom Cup 2018を観てもらうことです。









No comments