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Shoryukenインタビュー:Smug、Capcom Cupへの意気込みとショーマンシップについて語る

翻訳元:Shoryuken、2017年10/8公開

- 勝った時より負けた時の方が得るものがあるから、負ける方がいい。


(引用元:Shoryuken



 Bryant “Smug” Hugginsは、ストIVシリーズで北米の強豪ダッドリー使いとしてシーンへ登場して以来、まるでみんなのヒーローのようだ。2017年になり、大きな変化はなかったものの、彼はストリートファイターVのバイソンでのプレイで、そしてカメラの前でのおふざけでも観るものを楽しませている。
 Northern Arena Knockout(訳註1)で時間をもらい、今シーズンのこれまでと、Capcom Cup 2017への意気込みについてSmugに話を聞いた。

訳註1:2017年は9月21日に、カナダ南西部内陸に位置する同国最大の都市トロントで行われた大会。CPTに指定はされていない。優勝者はももち。




Corey “Missing Person” Lanier:カナダはどう?楽しんでる?

Bryant “Smug” Huggins:ああ、楽しんでるよ。カナダに来るのも3度目だね。1度目はカルガリー(訳註2)、2度目はここトロントだったよ。

訳註2:カナダ南西内陸部の大都市。

Missing Person:Northern Arena Knockoutは4位で終えたね。いくつか試合を振り返ってみようか。最初の試合の相手はOrangeman(訳註3)で、いきなりルーザーズに落とされてしまったね。

訳註3:カナダのラシード使い。


Smug対Orangemanの試合

Smug:彼を見くびってたよ。よくない立ち上がりになっちゃった。でも切り替えたよ。Orangemanとの試合についていえば、彼はちゃんと対策してたね。
 前に対戦した時は、野試合でも大会でも勝ってたんだ。去年のBrooklyn Beatdown(訳註4)だね。初めて対戦したのは去年のEast Coast Throwdown(訳註5)で、彼が勝ったよ。あれで彼の名前が知られだしたんだよね。それでラシード対策をして、Brooklyn Beatdownではオレが勝ったのさ。
 この大会では、オレはベストな状態だったけどやられたよ。ホントにかなりうまかった。もう一度この組み合わせを研究し直さないといけないね。

訳註4:世界最大規模のeスポーツリーグESLが主催する大会。2016、2017年ともにCPT指定はされていない。2016年はXiao Haiが優勝。
訳註5:アメリカの強豪プレイヤーLi Joeの主催する大会。2016、2017年ともにCPTランキング大会に指定。2016年はJulio Fuentesが優勝。

Missing Person:じゃあMarnとの試合について。彼にとって最後は特に厳しかったね。EXスマッシュスクリューで打撃が潰されて決まった(訳註:動画2時間16分〜)。


Marn対Smugの試合

Smug:前にMarnとやって、手を出したがるって気づいてたからね。それを頭に入れておいたんだ。で、手を出したがるから、アーマーを多めに使ってみようと思ってね。安定行動ってわけでは無いよ、もちろん。でも手を出してたならアーマーでとって反撃できるわけだからね。彼には機能するってわかってたわかってたのさ。

Missing Person:試合の後であげつらわれたりしてたけど(訳註6)、気を悪くしてない?

訳註6:試合直後、Smugは握手を申し出るもMarnは彼を一切無視したまま去る(動画)。ここでMissing Personが言っているのはもしかするとこちらのインタビューのことかもしれない。この中でMarnは「Smugは嫌い」「いつも毎回彼にやられる」「バイソンなんか使って」というようなこと言っている。

Smug:何も思ってないよ。使用キャラのことを言われるのはよくあることさ。でも彼も同じだよね、ずるいぐらい強いキャラを使ってて、サブキャラにミカも持ってる。カッとなって、冷静じゃなかったのさ。もう今は何も思ってないでしょ。

Missing Person:最後の試合になったのはBX3所属のPhenom、本当に接戦だった。ネカリに困ってるって以前言っていたけど、それをどうやって接戦するまでに持っていったのか詳しく教えてくれる?


Smug対Phenomの試合

Smug:Phenomはオレの天敵の1人さ。彼とストVで初めて対戦したのはNext Level(訳註7)、Brooklyn Beatdownの前だったね。エキシビションマッチをやって、結果は5-0で彼の勝ち。最悪さ。とれたのは一番はじめのラウンドだけだったんじゃないかな。その後彼に、「オッケー、Smug。もうわかってるぜ。オレが勝つ番さ」みたいなことを言われたよ。
 その次はSouth by Southwest(訳註8)の野試合。そこでもボコられたけど、長いことやったんで終わる頃にはわかってきてた。今はシーソーゲームみたいな感じだね。
 今回はいつもよりは多少不安が少なかったけど、それでもいつもみたいに自信があるってわけじゃなかった。戦えるようになってきてるけど、まだ彼は常に強敵だよ。

訳註7:NYにあるゲームセンター。格闘ゲームのメッカ。
訳註8:毎年、アメリカ南部に位置するテキサス州オースティンで行われているインタラクティブ・メディア、音楽、映画などを中心としたフェスティバル。2017年は16名を招待しての大会が開かれ、日本からはももちが参加。当然CPT指定大会ではない。2017年の優勝はSmug。SXSWと表記されることが多い。

Missing Person:もう一つ、触れさせてもらいたい試合はTop 8直前のL.E.S(訳註9)との試合。ベガの屈中Pでジャンプが落とされて、ベガがキャンセルで出した技が当たらなかった場面が何度かあったね(訳註10)。あれはL.E.Sを困らせる為に狙ってやってた?

訳註9:カナダのベガ使い。
訳註10:Missing Personは屈中Pと言っているが、おそらくここで言っているのは立大Pが空中ヒットしダブルニープレスが空振り、Smugがそこに反撃をいれている場面。Missing Personのここでの表現が曖昧で、直訳すると日本語として伝わりづらいこともあり内容を補い、意訳した。この訳が間違っている可能性もあるが、おそらくこの内容で合っていると思われる。詳細はこちらを参照。


L.E.S対Smugの試合

Smug:その通り。ベガは屈中Pとか屈中Kを出したら - ヒット、ガード関係なく - その後に技を出すだろ、大抵はニーを。ベガが端でプレッシャーをかけられてる時、自分のターンになったかどうか確認して技を出すわけだ。だからジャンプはそれに対するセットアップさ。

Missing Person:君は大会で配信に映った時にみんなを笑わせるよね。自分で配信してるのが、カメラの前での自信につながってるように感じてる?

Smug:そうだね。初めてTVカメラに映されたのはELEAGUE(訳註11)だったよ。はじめはかなり緊張したよ。両親にTVに映るって言っておいたんだ。生放送でさ、もしドジったら親が見てて恥ずかしいだろ。
 でもその後で、気にしないでおこうと決めたのさ。だからプレイに影響は無いし、カメラに抜かれたときは何かやるのが好きだよ。カメラを見て、オレがどんな風に相手より基本的なことをやってたかってのを教えるのが好きなんだよ(訳註12)。見ててくれよ。

訳註11:アメリカのケーブル/衛星放送テレビ局のTBS(日本のTBSとは無関係)で放送されているeスポーツリーグ。ここでSmugが言っているのは2017年のもので、32名の招待制、優勝賞金250,000ドル(約2700万円)、日本からはウメハラ、えいた、MOV、ときど、ふーど、ももちが参戦、優勝はPunk。
訳註12:原文にインフォーマルな単語が使われており、文脈から推測しても意味が不透明だったため、できるだけ直訳的に訳した。

Missing Person:君はボクサーキャラを使うことでも知られてるよね - ストIVではダッドリー、ストVではバイソン。共通する基本的なものを見つけたりした?

Smug:まず、ほとんどの人は知ってると思うけどオレはこのゲームが出た時はかりんを使ってて、追加キャラはまだいなかった。ダッドリーがいなくてキャラに困ってたけど、それでもプレイしたかったんだ。このゲームにオレの未来があるって思ってたからね。
 実のところスタートは遅かった、学校の方に集中しなきゃいけなくてゲームをできなかったんだ。ゲームが上手くなるために一生懸命で、全然いい成績じゃなかったからね。で、成績が戻った後で、去年のCEOに出たんだ。ゲームをやってなかったせいで全然いい出来じゃなかったけどね。バイソンが発表されてトレーラーを見て、すごく面白そうに見えた。これは楽しいぞって思ったんだ。こんなアツいやつ使わないわけにはいかなかったよ。
 使いはじめてみたら、ダッドリーみたいなのがいくつもあるのに気付いた。はじめはダッドリーが良かったし、今も望んでる。でもみんなはほとんどダッドリーみたいだって言ってるよ、ターゲットコンボを持ってて、コンボダメージも大きくて、中下択もあり、弾抜けもできるからね。すごくこわいキャラで、しかもボクサー。オレはみんなをボコボコにノックアウトするのが大好きなのさ。

Missing Person:完全に報われたよね - Capcom Cup出場へ名乗りを上げてる。

Smug:ああ、嬉しいよ。正直言って大きな大会で結果を出せるなんて思ってなかった。勝てるなんて全く思ってなかったよ。いつも、「Top 8に入れたり、Twitchの配信に映るだけでも、イケてるよな」って思ってたよ。でも最終的には、大会でもっともっとできるってわかった。今ではみんなオレを脅威のひとつだと見なしてる。誇らしいね。

(引用元:Shoryuken

Missing Person:Capcom Cupでの勝算についてはどう感じてる?

Smug:誰相手でも準備はできてるよ、全員とプレイしてるからね。今いろんなところを周ろうとしてるんだ。スポンサーが付いているからできることだね。以前は自費で行かなきゃならなかった。いろんな大会に出れば、世界中のプレイヤーからキャラ対を知る事ができるからね。
 負けた方がいいと思ってるのはそういうことだよ。勝つのは好きじゃない。オレが君を倒したとする。で結局はもう1回やることになる、でもオレはどうやって倒したか忘れちゃってる。オレも試合を見返すことはできるけど、君はたぶん新しいことを発見をしてる。負けた方がいいのは、勝った時より負けた時の方が得るものがあるからだよ。

Missing Person:それはタイトルの為には勝利こそが最重要だと感じているからだよね?

Smug:ああ、負けた時にはキャラ対でやらなきゃいけないことが見つかるからね。
 同じことでやられる時がある。そしたら「よし、これ対策しないとな」って考えて、家で時間がある時にトレモで友達に、例えば、「ちょっとさ、リュウ使ってもらっていい?大会でやられたことがあってさ」って頼むのさ。

Missing Person:今君がリュウに触れたからEvoの時の話を聞きたいんだけど。Evo 2017では中国のAbaoと2度戦ったね。そのことについて話してくれるかい。最近君がリュウに困ってるって話はあまり聞かないんだけど(訳註13)

訳註13:SmugはEvo 2017のプール初戦でAbaoと対戦、0-2で敗北。その後2日目のルーザーズで再戦、2-1で勝利している。その後Brolynhoに負け、最終結果は33位タイ(Top 64)。


Smug対Abao、プール ラウンド1での試合

Smug:そうだね。初めて会った時より上手くプレイされてしまった(訳註14)。シーズン2になってから実際誰もリュウを使ってない、だけどそれは大した言い訳にはならないね。リュウ戦はちょっと下手になってたけど、同時に彼は世界最強のリュウだ。負けたって気にしないよ。彼は間違いなくバイソン対策を研究してた。オレはあの試合で、あの組み合わせを研究した人じゃないと注意しないようなことをやってたんだ。彼は正しく完璧な準備をしてたね。尊敬に値するよ。

訳註14:「初めて会った時」というのはおそらくEvo 2017以前のことなのではないかと思われる。

Missing Person:彼は守備的な闘い方で有名だよね。それに困らされた?

Smug:ああ。守備的な選択肢と落ち着いたゲーム運び、両方すごかったよ。それで攻め急ぐのを止めたんだ。でもそれはすでに最初のセットの最後のラウンドで、遅すぎたね。

Missing Person:でもそこからちゃんと対応して次で勝った、そうだよね?


Smug対Abao、プール ラウンド2での試合

Smug:ああ、でも重要なのはこれがEvoでの最初の試合だったってことだ。それでTop 64まではるばる遠泳しなきゃならなかった。でもルーザーズでのAbao戦は最初より準備できてたよ。夜にトレモで彼への対策の練習をしてね、それでルーザーズでは彼から勝ちを取れたのさ。

Missing Person:さっきRise(訳註15)が君を色々なところへ出場させてくれていると言ったね。Capcom Cupの前では、どの大会で君の姿を見ることができる?

訳註15:Smugの所属する団体Rise Nationのこと。ストVプレイヤーでは他に、MenaRD、Marn、Richard Nguyenが所属。

Smug:この記事が公開される時にはもう終わってるかもしれないけど、Canada Cupには出るよ。もう残っている大会はあまり多くないし、今はCapcom Cupのことだけ考えて対策しているよ。





Special Thanks: ヒゲ大名さん



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