国境を越えるドラマ
(引用元:Capcom Pro Tour公式サイト)
ジェームス・チェンの涙
まずはこちらの動画をご覧ください。
右側のおじさんは、世界で一番有名な格闘ゲーム実況解説者アメリカ人のジェームス・チェン(James Chen)、通称チェンおじです。
チェンおじが泣いている理由、それは「日本人プレイヤーが優勝したことが嬉しくて」なのです。それも、「アメリカ人プレイヤーを決勝で倒して」の優勝です。
そして僕たち日本の格ゲーファンもまた、アメリカ人であるチェンおじのこうした姿を見て涙しました。
聞いたことがある人もいらっしゃるかもしれませんが、この大会は今年2017年の夏に行われた「Evo(エボ)」という世界最大の格ゲーの大会で、優勝者は日本人の「ときど」です。
実はチェンおじは15年来のときどのファンなのです。
ときどは若いころから活躍しており、特に同時に複数のゲームで高い成績を収めることで有名でした。「最も効率のいい勝ち方に最短でたどり着く」ときどのアプローチは、確かに彼に多くのタイトルをもたらしました。が、その戦い方は「見ていて面白くない」とよく言われ、「さむい」が転じて「アイスエイジ(氷河期)」という呼ばれ方までされるようになります。しかも、ビッグタイトルが取れない。
2013年のEvoでは決勝まで駒を進めるものの、決勝でシンガポールのXian(シェン)に破れます。Xianの使うキャラは「元(げん)」という、一般には弱いとされるキャラ。ときどとは真逆の道を登ってきたと言える相手でした。
こうした経験を経て、ときどはその哲学を変え、ついに悲願のEvoのタイトルを手にします。
チェンおじの涙の裏にはこうしたドラマがあったのです。
Evo 2017優勝後、ときどは一般の耳目をも集めはじめ、Evo優勝時にはYahoo!トップニュースにもなり、最近では「笑ってコラえて」に出演(11/22放送)したり、フォルクスワーゲンのCMに出演したりしています。
ときど優勝の裏にあるもう1つのドラマ
しかも、ときどEvo 2017優勝の裏にはもう1つのドラマがありました。
実はEvoの少し前から、ときどの長年のプレイヤー仲間である「マゴ」さんが深刻な、本当に深刻なスランプに陥っていたのです。普段の練習などでは「めちゃくちゃ強い」にも関わらず、とにかく大会で勝てない。信じられないぐらい低い成績が続いていました。
迎えたEvo、マゴさんはやはり早々に敗退してしまいます。
一方のときどは決勝まで上り詰め、そこで対峙したのはアメリカの新星Punk(パンク)、この大会の優勝候補筆頭です。しかし、すでに言ったようにときどはPunkを破り優勝します。
優勝後、ときどは壇上のインタビューで「Punkの使う『かりん』というキャラに対しての対策をどうやって練習したのか」を聞かれます。
ときど「同じくかりんを使う友達がいて、いつも彼と一緒に練習しています。彼は、自分の研究の内容も包み隠さず教えてくれるんです。」
- 秘密のパートナー?
ときど「秘密ではありません - マゴです。」
"I have Mago."
マゴさんもPunkと同じく「かりん」を使っており(格ゲーにおいて同じキャラを使うというのは大きな意味を持ちます)、いつも彼らは一緒に練習をしているんです。もっともこれは格ゲーファンなら当たり前の事実ではあります。
ただ、マゴさんの深刻なスランプ、まず間違いなく優勝すると思われていたPunkが相手といった事実、そしていつもはふざけあっている2人の間の絆が、この大舞台で垣間見えたことが全世界の格ゲーファンを感動させました(と思っています)。
一年をかけて行われるCapcom Pro Tour(以下CPT)では、こうしたドラマが大小、世界中、国境を越えて展開されていきます。
これこそが、僕にとってのCPT最大の魅力です。
この一連の記事の目的は、CPTの魅力を伝え、興味を持ってもらい、日本時間の12/9から行なわれる決勝大会Capcom Cup 2017を観てもらうことです。
まずはこちらの動画をご覧ください。
右側のおじさんは、世界で一番有名な格闘ゲーム実況解説者アメリカ人のジェームス・チェン(James Chen)、通称チェンおじです。
チェンおじが泣いている理由、それは「日本人プレイヤーが優勝したことが嬉しくて」なのです。それも、「アメリカ人プレイヤーを決勝で倒して」の優勝です。
そして僕たち日本の格ゲーファンもまた、アメリカ人であるチェンおじのこうした姿を見て涙しました。
聞いたことがある人もいらっしゃるかもしれませんが、この大会は今年2017年の夏に行われた「Evo(エボ)」という世界最大の格ゲーの大会で、優勝者は日本人の「ときど」です。
実はチェンおじは15年来のときどのファンなのです。
ときどは若いころから活躍しており、特に同時に複数のゲームで高い成績を収めることで有名でした。「最も効率のいい勝ち方に最短でたどり着く」ときどのアプローチは、確かに彼に多くのタイトルをもたらしました。が、その戦い方は「見ていて面白くない」とよく言われ、「さむい」が転じて「アイスエイジ(氷河期)」という呼ばれ方までされるようになります。しかも、ビッグタイトルが取れない。
2013年のEvoでは決勝まで駒を進めるものの、決勝でシンガポールのXian(シェン)に破れます。Xianの使うキャラは「元(げん)」という、一般には弱いとされるキャラ。ときどとは真逆の道を登ってきたと言える相手でした。
こうした経験を経て、ときどはその哲学を変え、ついに悲願のEvoのタイトルを手にします。
チェンおじの涙の裏にはこうしたドラマがあったのです。
Evo 2017優勝後、ときどは一般の耳目をも集めはじめ、Evo優勝時にはYahoo!トップニュースにもなり、最近では「笑ってコラえて」に出演(11/22放送)したり、フォルクスワーゲンのCMに出演したりしています。
ときど優勝の裏にあるもう1つのドラマ
しかも、ときどEvo 2017優勝の裏にはもう1つのドラマがありました。
実はEvoの少し前から、ときどの長年のプレイヤー仲間である「マゴ」さんが深刻な、本当に深刻なスランプに陥っていたのです。普段の練習などでは「めちゃくちゃ強い」にも関わらず、とにかく大会で勝てない。信じられないぐらい低い成績が続いていました。
迎えたEvo、マゴさんはやはり早々に敗退してしまいます。
一方のときどは決勝まで上り詰め、そこで対峙したのはアメリカの新星Punk(パンク)、この大会の優勝候補筆頭です。しかし、すでに言ったようにときどはPunkを破り優勝します。
優勝後、ときどは壇上のインタビューで「Punkの使う『かりん』というキャラに対しての対策をどうやって練習したのか」を聞かれます。
ときど「同じくかりんを使う友達がいて、いつも彼と一緒に練習しています。彼は、自分の研究の内容も包み隠さず教えてくれるんです。」
- 秘密のパートナー?
ときど「秘密ではありません - マゴです。」
- 秘密のパートナー?
ときど「秘密ではありません - マゴです。」
"I have Mago."
マゴさんもPunkと同じく「かりん」を使っており(格ゲーにおいて同じキャラを使うというのは大きな意味を持ちます)、いつも彼らは一緒に練習をしているんです。もっともこれは格ゲーファンなら当たり前の事実ではあります。
ただ、マゴさんの深刻なスランプ、まず間違いなく優勝すると思われていたPunkが相手といった事実、そしていつもはふざけあっている2人の間の絆が、この大舞台で垣間見えたことが全世界の格ゲーファンを感動させました(と思っています)。
一年をかけて行われるCapcom Pro Tour(以下CPT)では、こうしたドラマが大小、世界中、国境を越えて展開されていきます。
これこそが、僕にとってのCPT最大の魅力です。
この一連の記事の目的は、CPTの魅力を伝え、興味を持ってもらい、日本時間の12/9から行なわれる決勝大会Capcom Cup 2017を観てもらうことです。
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