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Beautiful Memory 〜 2019年 第3四半期 格ゲーシーン振り返り




— はがねを鍛へるように
新らしい時代は新らしい人間を鍛へる





 シーズン半ばの大一番にして格闘ゲームの祭典・EVOが終わり、Capcom Pro Tour(以下CPT)も大詰め。思えば遠くへ来たもんだ。
 今回はこれまでと違い、まずはEVOから。






格ゲー史上最高のライバル関係

 今年はメインタイトルから外れてしまったDragonball FighterZ(以下DBFZ)だが、注目度は相変わらず高かった
 なぜかというと、神・GO1が連覇を続けていたから。その数、実に8連覇(ワールドツアー以外の大会含む)。

 Final Round(アメリカ)
 NorCal Regionals(アメリカ)
 Versus Masters(シンガポール)
 いいすぽ(日本)
 KVO x TSB(日本)
 Combo Breaker(アメリカ、ワールドツアー対象大会)
 CEO(アメリカ、ワールドツアー対象大会)
 VSFighting(イギリス、ワールドツアー対象大会)


 GO1はS1通してトップ・オブ・トップとして活躍するも、招待制のSummit of Power、EVO、ワールドツアーファイナル、全て優勝を逃し、ビッグタイトルを獲得できていなかった
 悲願達成なるかというこの大会、巡り会うはやはりこの男。SonicFox(以下ソニフォ)。

 ウィナーズファイナルではGO1が勝利しソニフォをルーザーズに叩き落とすが、ソニフォはGO1のチームメイト・フェンリっちの屍を超えグランドファイナルで再び相対する。「いつもの光景」だ。
 GO1は、ソニフォに2本連取されリセットにリーチされるも動揺を見せず終始落ち着いたプレイで逆に3本連取、リセットを許さずウィナーズ側のまま優勝、ついにビッグタイトルを獲得

感極まるGO1、一体となって祝福する会場。
愛。

 ちなみにこの後GO1神は、アイルランドのCeltic Throwdown、マレーシアのPenang Esports Festivalでも優勝し、連覇数を11に伸ばしている
 神。



鉄拳新王朝

 前々回、前回でくどいほど触れてきた鉄拳新勢力・パキスタン、というかArslan Ash。どうやっても注目はそこに集まってしまう。
 Ashが今まで参加した中でもおそらく最も厳しいものであろうし、Ashに優勝して欲しいという期待感とともに、誰がAshに土をつけられるのかという興味もあったのではないかと思う。
 果たして果たして、Ashはやはりグランドファイナルまで進出するのであった。
 相手はまたしても韓国のKnee

 自分は鉄拳に明るくないのでAshのプレイに細かいうんぬんは出来ないけど、とにかくガードが堅いらしい。そんなAshに対し、Kneeは持ち前の堅実なプレイを崩してまで勝ちにいくが...それでもAshの堅城は崩せず。
 EVO Japan 2019で表舞台に出てきてから全ての大会で優勝(3連覇)

 そしてパキスタン旋風はさらにその勢力を増し、Ash以外のパキスタン勢からもスポンサーを受けるプレイヤーが何人も出てきており、そのうちAwais Honey(アワイス・ハニー)はマレーシアの大会(ツアー対象)で優勝してしまう(ちなみにここでもグランドファイナルはKnee)。
 いや〜、もう言葉がないね。



前人未到

 ストV。CPTとしては前半の締めくくりといった感のあるEVO。最終日のビッグステージに立ったTop 8のプレイヤーのうち、 "いつものメンツ"ボンちゃん藤村、UAEのラシード使い・Big Bird3人だけ。残り5人は若かったり、最近活躍しはじめたプレイヤーばかりという、胸の高鳴るメンバーだった。
 しかし、勝ち上がっていくのはやはり "いつメン" — そしてグランドファイナルはボンちゃん対Big Bird、レッドブルアスリート同士の対決であった。

試合前はレッドブルで乾杯。

 試合はBig Birdが先行し、リセット目前までいくもボンちゃんはそれを阻止し巻き返していき2-2でお互い1ラウンドづつ取り、最終ラウンドをBig Birdがとればリセット、ボンちゃんがとれば優勝というところまでいくが、最後はボンちゃんが不利な状況で読み勝ち勝利。EVO初制覇であった。

 そしてなんとボンちゃんはその次に参加したプレミア大会・Celtic Throwdownでも優勝。なんと前人未到のプレミア4連覇
 これ超えられるやつ出てくるのか?



September Mago

 EVOが終わるとCPTも後半戦、Capcom Cup(以下CC)出場を目指すプレイヤー達はポイントランキングとにらめっこしてニヤニヤするものあり、頭を抱えるものあり(想像)。
 そんな中われらのマゴさんはというと、当然のように低空飛行を続け、ポイントの稼ぎどころであるEVOの結果も49位タイとふるわず、「さすがに今年のCCはもう厳しいか...?」という空気が出始めていた。

 しかし8/31〜9/1にアイルランドで行われたプレミア・Celtic Throwdownで9位に入りこれまでの最高ポイントである70Pを獲得。
 そして、その翌週の中国で行われたプレミア・PPL Fighter Mastersではウィナーズ側でTop 8に残り、みんな「まさか...あるのか...?」と期待する
 そこで出てきたパワーワードが "September Mago" である。なんじゃそりゃ。

ここらが元凶の模様。
September Magoでツイート検索すると山ほどヒットする。

 どうやら「マゴは9月になったら調子を上げてくるんだよ」とかそんな意味のようだ。
 結果としては優勝こそならなかったものの見事3位を獲得し200Pゲット。CC出場は一気に現実味を増してくる。翌週は、3つしかないスーパープレミアのうちの2つ目、日本で開催されるAsia Premierだ。

 実は自分、Asia Premierにプレイヤーとして参加していた為、初日がどんな感じだったのかあんまりわからないので初日については飛ばす。
 さてさて、2日目のステージに立つTop 8のプレイヤーの名前のなかにありましたよ、マゴさんの名前が。しかもウィナーズ
 とはいえTop 8に残っているプレイヤーは日本の若手・Shutoを除いて "いつメン" であり、連敗してすぐに敗退になっても全く不思議ではない...しかし "September Mago" はマジだった!
 Top 8初戦でBig Birdを撃破、これで3位以上確定! その次のももちには負けてしまうが、ルーザーズファイナルでUAEのAngry Bird追い詰められてから逆転勝利、これでグランドファイナル進出!

 なんかもうマジでみんなマゴさんを応援してるんじゃないかっていう雰囲気の中、1度敗れているももちとのグランドファイナルが始まるのであった。



ももち

 いつもは、厳しい状況になると慌てたようなプレイが出たり、大事なところで "昇天" ことミスをして負けてしまったりするマゴさんだが、この日は劣勢に立たされても終始落ち着いていた。
 みんなの想いはひとつ、マゴさん優勝。知らんけど。

 しかし、届かず。
 優勝したのはももち — 自身のチーム(会社?)・Shinobism(シノビズム)で、ゆうすけたつや(仮)説教TVという定期配信を新しく始めたばかりで、その為にザリガニを釣りに行ったり、スマブラを始めたりと "ストリーマー" ももちは頑張っていたが、CPTではそこまで目立った成績をあげている訳ではなかった。

ザリガニを釣って採点するプロ格闘ゲーマー。
プロ格闘ゲーマーとは。

 自分で「最近はいつでも "ももちの動き" が出来る」というようなことを言っていたように、持ち前の堅い立ち回りでマゴさんの勢いを殺し、「これぞももち!」という勝利であった。

 ちなみに後日、連日の長時間配信の末スマブラでVIP入りを果たす。さすがというべきなのか何と言うべきなのか...

勝利。


取り憑かれたように長時間配信を繰り返すプロ格闘ゲーマー。
何故かサムネイルがどれもストVではなくスマブラ。
プロ格闘ゲーマーとは。

 最近のShinobismの配信はホントに面白いのでオススメ。



CPTは佳境へ

 明日10/12からシンガポールで行われるSEAMを皮切りに、ついに地域決勝大会(リージョナルファイナル)が各地で行われていく。
 地域決勝大会とは北米、中南米、アジア、ヨーロッパの、各地域のプレイヤーの、その地域の大会での成績上位8名で行われるトーナメントで、優勝者にはCC出場権が与えられる(要するに地域枠)。また、地域決勝大会の前日にはオープンプレミアと呼ばれるプレミア大会が行われ、こちらには世界中どの地域のプレイヤーでも参加できる。
 プレイヤーの様々な気持ちが交錯するプロツアー最終盤、その悲しみや喜びがキミの酒を美味くする!



フェノログ

 世界に名高い日本の食。大抵の海外勢は日本に来ると、その安さとうまさに驚き感動する。
 しかしノルウェーのPhenom(フェノム)は違った。



 
自分で焼いたソーセージとか肉には満点。
あまりにも公平。

2時間待たされても日本で食べた上3つより評価が上。
どゆこと?

 戦争じゃぁ!



ワンダーキッド2

 前回紹介したフランスの "ワンダーキッド" Wawaくん。
 そのWawaくん、ついにスポンサーもついて母国フランスの大会Ultimate Fighting Arenaに臨み、なんとあのソニフォをも倒して優勝してしまう!
 これでツアーファイナル出場も濃厚に。
 はぁ...しゅき...

 ちなみに "ワンダーキッド" は、前回紹介したVSFightingの時に同郷の実況解説者Damascus(ダマスカス)が連呼してて個人的に気に入ったので、定着させてやろうと勝手に繰り返し使っていたが誰も使ってくれないばかりか、今回のUltimate Fighting ArenaではDmascus自身ももう使ってなかった。悲しみ。

 追記:白水さんが教えてくれたんだけど、公式のこのページで "ワンダーキッド" 採用されてたーーーーー! で、このページにある2013年(!)のWawaくんの動画に "The Little Wonder Wawa" とつけられているので、もしかしたらDamascusはここから着想を得たのではないかと。当時どれぐらい話題になったのかはわからないけど、そうだとしたら...アツいね!



 2019年も終わりに近づき、11/16〜17にはARCREVO Tourのファイナル、12/7〜8には鉄拳ワールドツアーのファイナル、12/13〜15にはCC、そして来年頭(未確定)にはDBFZワールドツアーのファイナルが行われる。
 もー大変!!!






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